来院のきっかけ
59歳・男性・会社員の方です。
約2年前に腰の椎間板ヘルニアを経験し、その際強い腰の痛みで仰向けに寝ることができず、ソファーに丸くなった姿勢で休むことが続いたとのことでした。その期間が長くなったことで、背中から首にかけて丸くなった姿勢が習慣化し、首が下を向いたまま固まったような状態になってしまったそうです。
最近になって「前を向こうとして首を起こすと腰に痛みが出てしまう」という不調が続き、日常生活でも不便を感じるようになり、腰痛をなんとかしたいという思いでご来院されました。ヘルニアによる鋭い痛みはほぼ改善しているとのことでしたが、現在の腰の痛みは姿勢からくる負担ではないかとご本人も感じておられ、根本的なケアが必要だと思い当院を選ばれたとのことでした。

初診時の症状
初診時には、以下のような状態が確認されました。
①腰の痛み
首を持ち上げて前を向こうとすると、腰の中央あたりに痛みが走るとのことでした。日常生活の中でも姿勢を起こす動作が辛く、長時間の立ち姿勢や歩行でも腰が重くなるような感覚があるとお話されていました。
②首を真っすぐにできない状態
背中と首が前に丸く固まった姿勢になっていて、首を起こそうとすると背中から腰にかけて引っ張られるような感覚が出るとのことでした。首そのものの痛みは強くありませんでしたが、姿勢の制限が腰痛に影響している印象がありました。
全体の姿勢を確認すると、体の前側(胸・腹部・太ももの前側)の筋肉が縮こまっていて伸びにくく、反対に背中側は常に引っ張られている状態になっていました。

施術の内容と経過
今回は40分のボディケアコースを選ばれました。まず、体の前側の筋肉が硬くなり縮んだままの状態が続いていることが、首が上がらない原因のひとつになっている可能性を説明しました。首を起こすときに前側が十分に伸びないと、代わりに腰を反らせてしまい、その結果腰に負担が集まり痛みが出ることがあります。
施術では、胸・腹部・骨盤周り・太ももの前側など、姿勢を丸くする原因になっている筋肉にアプローチしていきました。強すぎない圧で筋肉をほぐし、動きを確認しながらゆっくりとストレッチを行うことで、全身のバランスを整えるように進めました。また、背中側が過度に張っている部分には軽いリリースを加え、姿勢の偏りを少しずつ整えるよう意識しました。
施術後は、姿勢の固まりが長期間続いていた影響もあり、大きな変化はみられませんでした。ただし、動きの感覚は少し変わったようでした。
また、自宅で続けられる簡単なストレッチとして、胸を開く動き・お腹の前を伸ばすストレッチ・太ももの前側を伸ばす体操をお伝えしました。これらは日常のすきま時間に行いやすく、姿勢の戻りを防ぐためにも有効と考えています。
担当スタッフから
この方の場合、ヘルニアの痛みそのものではなく、長期間の丸まった姿勢により体の前側が縮こまり、姿勢を起こそうとすると腰に負担が集中してしまう状態が続いている印象でした。とくに「首を起こすと腰が痛む」という動作は、前側が伸びにくいサインとしてみられることがあります。
長年続いた姿勢は一度で大きく変わるものではありませんが、体の前側をゆっくり伸ばしていくことで、少しずつ首が起きやすくなり、腰への負担も軽くなる可能性があります。施術と並行して、日常でのストレッチや姿勢の工夫を続けていただくことで、より改善しやすい状態がつくられていくと考えています。
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