来院のきっかけ
32歳女性、会社員の方の症例です。健康維持を目的に約1年前からランニングを始められたとのことでした。最初は短い距離を無理のないペースで走っており、特に不調を感じることなく継続できていたそうです。
しかし最近になり、体力の向上を感じたことから徐々に走る距離を延ばすようになりました。その頃から、ランニング後に膝の内側に違和感を覚えるようになり、数回走るうちに痛みとして自覚するようになったとのことでした。
当初は「走りすぎによる一時的なものだろう」と考え、様子を見ながらランニングを続けていたそうですが、次第に走り終えた後だけでなく、日常生活の中でも階段を下りる際に膝の内側が気になるようになりました。このまま走り続けても問題ないのか不安になり、身体の状態を確認したいという目的で来院されました。

初診時の症状
初診時には安静時の強い痛みはありませんでしたが、以下の症状が確認されました。
・ランニング後に膝の内側に痛みを感じる
・階段を下りる動作で膝の内側に違和感や痛みが出やすい
・運動時に膝の不安感がある状態
膝の腫れや熱感は目立たず、日常生活には大きな支障はないものの、運動時や特定の動作で不安が残る状態でした。問診の中で、ランニングフォームについては特に意識しておらず、自己流で走っているとのことでした。
動作確認を行うと、しゃがむ動きや片脚に体重をかけた際に、膝がやや内側に入りやすい傾向が見られました。このような動きが繰り返されることで、膝の内側に負担がかかりやすくなっていた可能性が考えられました。
施術の内容と経過
施術では40分コースを選択いただき、膝周囲の筋肉・筋膜を中心に太ももやふくらはぎなど下肢全体の筋緊張を丁寧に緩めていきました。特に膝の曲げ伸ばしや姿勢の保持に大きく関わる太ももの外側(大腿四頭筋など)や内側の内転筋に強い張りが見られたため、左右のバランスを整える施術に重点を置きました。
膝関節は、「股関節」と「足首」の間に位置するため、上下の関節が硬くなると負担がすべて膝へ集中してしまいます。動きの硬さが目立った股関節と足首に対し、関節の可動域を広げる調整を行うことで、下肢全体の滑らかな連動性を手繰り寄せました。
施術後には「膝まわりが動かしやすくなった」と変化を実感され、動作時の不安感が軽減されました。
その後は2~3週間に1回のペースで施術を継続しながら、走行フォームの見直しや下肢を支える筋肉の使い方についてもアドバイスを行いました。特に、膝が内側に入りすぎ(ニーイン)ないよう意識することや、走る前後のストレッチを取り入れることをお伝えしました。
施術とセルフケアを継続する中で、ランニング後の膝の違和感は徐々に軽減し、距離を調整しながら運動を再開できるようになってきました。現在も無理のない範囲でランニングを続けながら、身体のメンテナンスを行っています。

担当 酒徳
ランニングによる膝の痛みは、膝だけが原因とは限らず、股関節や足首の動き、筋肉の使い方、フォームの癖などが影響している場合があります。特に走行距離が増えると、これまで表面化しにくかった身体の使い方の偏りが負担として現れることがあります。
今回のケースでは、膝が内側に入りやすい動きの傾向と、下肢全体の筋緊張が重なり、膝の内側に負担がかかっていた可能性が考えられました。施術では膝周囲だけでなく、下肢全体のバランスを整えることを重視しました。
ランニングを継続するためには、無理に走り続けるのではなく、身体の状態を確認しながらケアを行うことが大切です。違和感を感じた段階で身体を整えることで、負担の軽減や再発予防につながる可能性があります。今後も状態に合わせたサポートを行っていきます。
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