来院のきっかけ
38歳男性、マーケティング職として勤務されている方の症例です。来院のきっかけは、朝の洗顔時に首を前に曲げた際、突然肩から腕にかけてしびれを感じたことでした。その時は一瞬の出来事だったため深く気にしなかったそうですが、その後も首を曲げる動作をすると同様のしびれが出るようになりました。
さらに、仕事中のデスクワークでも腕にぴりぴりとした違和感を覚えることが増え、徐々に気になる頻度が高くなっていきました。マーケティング業務のためパソコン作業の時間が長く、集中力を必要とする場面も多いことから、「このまま悪化するのではないか」という不安を感じ、当院へご相談いただきました。
日常生活では強い痛みはないものの、首を前に倒す動作で症状が出るため、洗顔やスマートフォンの操作などの何気ない動作にも注意を払うようになり、精神的な負担も感じている様子でした。

初診時の症状
初診時には以下の症状が確認されました。
①首を前に曲げた際に、肩から腕にかけて広がるしびれ感
②長時間のパソコン作業中に起こる断続的な腕の違和感
③首から肩にかけての強い張り感
痛みは強くありませんでしたが、首を前に曲げる動作でしびれが再現される状態でした。また、首から肩甲骨周囲にかけて筋肉の緊張が強く、動きにもやや制限が見られました。姿勢の評価では、頭部が前方に出やすいデスクワーク特有の姿勢が見られ、首への負担が蓄積しやすい状態と考えられました。
さらに詳しくお話を伺うと、過去に交通事故によるむち打ちを経験されていたとのことでした。現在は日常生活に支障はないものの、首まわりの筋肉が緊張しやすい状態が残っている可能性も考えられました。
施術の内容と経過
初回の施術:患部への刺激を抑え、周囲からアプローチ
初回来院時は、首まわりの筋肉(斜角筋や板状筋)の緊張が非常に強く、無理に強い刺激を加えるとかえって神経のしびれ症状を誘発させる危険性がありました。そのため、まずは、首の土台となる周囲の筋肉から徐々に緩めていく方針をとりました。
首から肩、さらには肩甲骨周囲の深層の筋肉まで丁寧に調整し、さらに腕へとつながる神経の通り道をスムーズにするよう、段階的に筋肉の緊張を解放していきました。
頸部の可動域は実は背中(胸椎)や肩甲骨の柔軟性と深く連動しています。首だけにフォーカスするのではなく、全体の連動性を整えるようカイロプラクティック施術を進めました。
施術後には「首を動かしたときのあの独特な違和感が少し軽くなった感じがする」との感想をいただくことができました。
その後、数回の施術を重ねる中で、首を曲げた際のしびれの出現頻度が段階的に減少していきました。仕事中に感じていた腕のピリピリとした違和感も、次第に気にならない時間が増え、パソコン作業への集中力も改善していったとのことでした。
再発を防ぎ、症状をより安定させるために、日常生活における以下のポイントをアドバイスしました。
・定期的なリセット:長時間同じ姿勢を続けないよう定期的に休憩を取り、首肩のス トレッチを行う
・デスク環境の最適化:モニターの高さを目線に合わせ、頭が自然と前に落ち込まない環境を作る
・スマホ操作時の姿勢改善:スマートフォンを見る際に視線を下に落とすのではなく、画面を目線の高さまで持ち上げて首を深く曲げすぎないこと
これらのセルフケアを意識的に取り入れていただくことで、症状の安定につながっていきました。現在は完全に症状が消失したわけではないものの、日常生活や仕事への支障は大きく軽減しています。
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