
来院のきっかけ
約2か月前から、座っているときに時々尾骨に痛みを感じるようになりました。最初のうちは「そのうち自然に良くなるだろう」と思い、特に治療などは行わずに様子を見ていました。しかし、放っておいても痛みは引かず、むしろ2週間ほど前からは痛みが強くなり、椅子に長時間座ることが苦痛に感じるようになりました。
このような尾骨の痛み(尾骨痛)は、転倒による骨折や打撲のほか、長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、骨盤周辺の筋緊張など、さまざまな原因で起こります。今回の場合は「尻もちをついたなどの外傷歴がない」とのことで、骨折などの骨の損傷ではなく、筋肉や靭帯など軟部組織のこわばりが主な原因であると考えられました。
初診時の症状
初回の来院時、主訴は「座っていると尾骨が痛む」というものでした。特に長時間座位を続けると痛みが増すとのことで、デスクワーク中心の生活習慣が背景にあると考えられました。触診を行うと、骨盤周りからお尻にかけての筋肉、特に大殿筋や梨状筋、仙骨周辺の筋緊張が著しくまた、姿勢を確認すると、骨盤がわずかに後傾し、背中が丸まった状態で座っていることが多く、その姿勢が尾骨への負担を大きくしていたと考えられます。
施術内容と経過
初回の施術では、骨盤周囲の筋肉を中心に、全体のバランスを整えることを目的に40分間のボディケアを行いました。筋肉がかなり硬くなっていたため、最初の段階では軽めの圧から入り、徐々に深部へとアプローチしていきました。特に臀部から仙骨周囲にかけての筋緊張を丁寧にほぐすことで、骨盤が自然な位置に戻りやすくなり、尾骨への圧力が軽減されました。
2回目、3回目の施術では、姿勢指導や座り方の改善にも重点を置きました。骨盤を立てて座る意識を持つこと、長時間座る際にはクッションやドーナツ座布団を活用することなどを提案しました。また、セルフケアとして、臀部と太もものストレッチを日常的に行っていただくよう指導しました。
4回目の施術を終える頃には、座っていても尾骨の痛みを感じることがほとんどなくなりました。筋肉の柔軟性が回復し、骨盤の動きがスムーズになったことで、痛みの根本的な原因である「筋緊張による圧迫」が解消されたと考えられます。
担当スタッフから
尾骨痛は、外傷による明確な原因がない場合でも、日常の姿勢や筋肉の使い方のクセから生じることが多くあります。特に、デスクワーク中心の生活を送っている方は、座る時間が長くなるため、骨盤周囲の筋肉が硬直しやすくなります。その結果、尾骨への負担が増し、慢性的な痛みにつながると考えられます。
今回の症例では、骨盤周囲の筋緊張をしっかりとほぐし、正しい座位姿勢を身につけることで短期間での改善が見られました。しかし、再発を防ぐためには、引き続き適度なストレッチや姿勢の意識が大切です。特に長時間座る場合には、1時間に1度は立ち上がって軽く体を動かすことをおすすめします。
尾骨の痛みは放置してしまうと慢性化し、改善までに時間がかかることもあります。軽い違和感のうちにケアを始めることで、早期改善が期待できます。
お尻の痛みや尾骨痛、腰痛でお悩みの方は、東京都千代田区・お茶の水肩こり腰痛センター(神田・神保町・小川町・淡路町・大手町・秋葉原・東京駅エリア)にご相談ください。